2023年度も残すところあとわずかです。
2024年度も間もなくやってきます。
ビジネスの面で気になるのが国や大分県の補助金ではないでしょうか。
この記事では、2023年・2024年の国や大分県の補助金をまとめています。
急いで申請しなければならないもの、2024年度に向けスタートするものを解説します。
※この情報は、2024年2月8日現在のものです。
【2023・2024】国の補助金
まずは国の補助金の代表的なものとその内容、スケジュールについてご説明します。
【国】ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:もの補助)
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、令和5年度補正予算で2,000億円の額がつけられました。
令和5年度分の締め切りは3月27日です。
令和6年度のスケジュールはまだ公開されていません。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の事業目的は、次のとおりです。
生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者の設備投資、IT導入、国内外の販路開拓、事業承継・引継ぎを補助し、切れ目なく継続的に、成長投資の加速化と事業環境変化への対応を支援することを目的とする。
17次・18次公募では、枠の新設、特例の拡充がなされました。
・省力化(オーダーメイド)枠の新設
人手不足の解消等を目的とし、生産プロセス省力化の取り組みを進めるため、
ビジネスプロセスに応じたオーダーメイド型の省力化投資を
補助上限額を大幅に引き上げて支援。
・製品・サービス高付加価値化枠の新設
付加価値の高い革新的な製品や、
サービスの開発に取り組むために必要な設備投資等を支援する。
成長が見込まれる分野(DX・GX)は成長分野進出類型、
最低賃金の引き上げにも取り組む事業者を通常類型よりも補助率を引き上げて支援する。
・大幅賃上げに係る補助上限額引き上げ特例の拡充
大幅な賃上げに取り組む事業者について、補助上限額を引き上げ。
省力化(オーダーメイド)枠においては、最大2,000万円まで補助上限を引き上げる。
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金について(Ver.1.1)│中小企業庁」
【国】小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス制度の導入などに対応するため、事業者が取り組むべき販路開拓などの経費の一部を補助するものです。
新しい市場への参入に伴う販路開拓、商品の改良や開発、業務効率化の取り組みを支援する補助金です。
商工会議所のサポートを受けながら経営計画書を作成し、申請しなければなりません。
令和5年度の事業支援計画書締め切りは3月7日、申請締め切りは3月14日までです。
・通常枠:補助率3分の2・補助上限50万円(※インボイス特例を満たせば50万円上乗せ)
・賃金引上げ枠:補助率3分の2、・補助上限200万円(※)
・卒業枠:補助率3分の23・補助上限200万円(※)
・後継者支援枠:補助率3分の23・補助上限200万円(※)
・創業枠:補助率3分の23・補助上限200万円(※)
※【加点】インボイス特例
2021年9月30日~2023年9月30日の課税期間内に、一度でも免税事業者であった・免税事業者であることが見込まれる事業者が、インボイス発行事業者に登録すること。
通常枠
事業者が作成した経営計画をもとに、商工会議所の支援を受け行う販路開拓の取り組み支援。
賃金引上げ枠
販路開拓+事業所内の最低賃金が地域の最低賃金よりも50円以上とする事業者対象。
※赤字の事業者に関しては、補助率を4分の3へ引き上げ。
卒業枠
小規模事業者従業員数を超え事業規模拡大をすること+販路開拓の取り組みをする事業者対象。
後継者支援枠
アトツギ甲子園ファイナリスト、または準ファイナリストに選出される+販路開拓の取り組みをする事業者対象。
創業枠
「特別創業支援等事業」支援を受けた日および開業日が公募締め切り日より3年以内+販路開拓の取り組みをする事業者対象。
【国】IT導入補助金2024
IT導入補助金は、経営課題をITツールで解決しようとするときに支援を受けられる補助金です。
IT導入補助金2023ではデジタル化基盤導入類型でECサイト制作も対象となっていましたが、IT導入補助金2024ではインボイスへの対応に軸足が置かれたため、ECサイト作成は対象でなくなります。
IT導入補助金2024は、1次締め切りが3月15日(予定)よりスタートします。
IT導入補助金2024で対象となるものは、以下のとおりです。
通常枠
・補助率:2分の1以内
(1プロセス以上)5万円以上~150万円未満
(4プロセス以上)150万円以上から450万円以下
業務効率化や売上向上を目指し、自社の課題にマッチするITツールを導入する企業への補助金。
インボイス枠(インボイス対応類型)
・【ソフトウェア】
補助率:4分の3以内ないしは5分の4以内・50万円以下
3分の2以内・50万円~350万円以下
・【PC・ハードウェア】
補助率:2分の1・10万円以下(PC・タブレット)
2分の1・20万円以下(レジ・券売機)
インボイス制度に対応するための会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフトを導入する企業への補助金。
インボイス枠(電子取引類型)
・補助率:3分の2以内(中小企業・小規模事業者)・~350万円以下
補助率:2分の1以内(その他事業者)・~350万円以下
商流単位(※)において、インボイス制度に対応する受発注システムを導入する企業への補助金。
※商流単位:取引関係にある企業同士、そのまとまりのこと。
セキュリティ対策推進枠
・補助率:2分の1以内・5万円
近年増えているサイバー攻撃への対処として、多くのリスク低減策を講じる企業への補助金。
複数社連携IT導入枠
・補助率:4分の3以内ないしは5分の4以内・上限3,000万円以下(ソフトウェア)
・補助率:2分の1以内・3,000万円以下(PC・タブレット)
・補助率:2分の1以内・3,000万円以下(レジ・券売機)
・補助率:3分の2以内・3,000万円以下(消費者動向等分析費用)
・補助率:3分の2以内・200万円以下(その他経費)
サプライチェーン、または商業集積地において繋がりがある企業同士が連携しツールを導入、生産性向上を目指すときの補助金。
【国】事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は、「新たな取り組み(設備投資・販路開拓)」「M&Aの際の専門家の活用」「廃業または再チャレンジの取り組み」の際に活用できる補助金です。
経営者の高齢化、後継者の不在などから休業・廃業する企業が増えていますし、そのうちの約6割が黒字経営という問題があります。
このような状況を手助けするのが、この事業承継・引継ぎ補助金です。
【経営革新:経営資源引継ぎや事業承継、M&Aを行ったないしは行う予定】
・補助率:2分の1ないしは3分の2・~600万円/2分の1・600万~800万円以下
【専門家活用:経営資源を譲渡する、または譲り受ける】
・補助率:2分の1ないしは3分の2・~600万円
※M&Aが未成約なら300万円まで
【廃業・再チャレンジ:事業承継やM&A検討などに伴い廃業などをする予定】
・補助率:2分の1ないしは3分の2・~150万円
「中小企業庁担当者に聞く「事業承継・引継ぎ補助金」│ミラサポPlus」
【国】成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)
中小企業の研究開発を支援する制度が、この「成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」です。
通常枠の場合、企業が大学などと研究に取り組むための「共同体」を構築する必要がありますが、最大3年間の支援が得られるのがポイントです。
対象となる研究・開発は、以下の「中小企業の特定ものづくり基盤技術及びサービスの高度化等に関する指針」に沿ったものでなければなりません。
「中小企業の特定ものづくり基盤技術及びサービスの高度化等に関する指針│中小企業庁」
【通常枠】
・補助率:3分の2以内・単年度4,500万円以下、3年間9,750万円以下
【出資獲得枠】
・補助率:3分の2以内・単年度1億円以下、3年間3億円以下
※補助上限額は、出資予定者の出資予定額×2を上限とする
「令和6年度予算「成長型中小企業等研究開発支援事業」(Go-Tech事業)の公募に関する事前予告を行います│中小企業庁」
【国】省エネ支援パッケージ(通称:省エネ補助金)
環境への配慮(カーボンニュートラル)や、近年のエネルギーコスト高への対応策として、効率の良い設備の導入を進める企業で使いやすい補助金が「省エネ支援パッケージ(省エネ補助金)」です。
その前に「どうすれば省エネになるのかわからない」「事業所全体をみてもらいたい」という心配も寄せられることから、資源エネルギー庁では専門家による省エネ診断への支援も実施します。
「令和5年度補正予算における省エネ支援策パッケージ│資源エネルギー庁」
【工場・事業所型】
・補助率:2分の1または3分の1・補助上限15億円
【新設類型/電化・脱炭素燃転型】
・補助率:2分の1・補助上限3億円
※電化のための機器は上限5億円
【設備単位型】
・補助率:3分の1・補助上限1億円
中小企業省力化投資補助事業
中小企業省力化投資補助事業は、令和5年度補正で1,000億円の予算が付いた事業です。
人手不足により悩まされている企業の、省力化投資を支援するものです。
無人輸送ロボットや検品仕分けシステム、キャッシュ列型自動券売機など、人の手でなくても問題のない作業を機械に任せることで、中小企業の生産性向上に役立てるためのものです。
この補助金は、中小企業庁が作成したカタログから導入したいツールを選ぶという、比較的簡易な方法で利用できます。
詳細な情報はこれから出てきます。
・補助率:2分の1
・補助上限:従業員数5名以上200万円(300万円)
従業員数6~20人500万円(750万円)
従業員数21人以上1,000万円(1,500万円)
※カッコ内数字は、賃上げ条件を達成したとき引き上げられる上限額
【2023・2024】大分県の補助金
ここからは、2023年・2024年に大分県で取り扱う支援制度についてご紹介します。
大分県の補助金上乗せについては、2024年(令和6年)4~5月に申請受付が開始される予定です。
【大分県】省力化投資補助金(上乗せ)
国の中小企業省電力化投資補助事業の交付決定を受けた事業者に、大分県が上乗せで行う支援です。
【通常枠】
・国補助率:2分の1***大分県上乗せ後補助率:3分の2
【賃上げ枠】
・国補助率:2分の1***大分県上乗せ後補助率:4分の3
【補助上限(国+大分県)】
・従業員数5名以下:通常枠266万円・賃上げ枠450万円
・従業員数6~20人以下:通常枠666万円・賃上げ枠1,125万円
・従業員数21人以上:通常枠1,333万円・賃上げ枠2,250万円
※全て国の補助額と、大分県が上乗せした補助額の合算金額
【大分県】IT導入補助金2024(インボイス枠)(上乗せ)
国が実施するIT導入補助金2024において、「インボイス枠」の交付決定を受けた事業者には、大分県が上乗せ補助をします。
この条件は、大分県が定める賃上げの要件を満たしていることです。
大分県でも、業務効率化やDXの推進、またインボイス制度への対応を支援したい考えです。
【ITツール】
・国補助率:4分の3または5分の4***大分県上乗せ後補助率4分の3
【PC・タブレット】
・国補助率:2分の1***大分県上乗せ後補助率4分の3
【レジ・券売機】
・国補助率:2分の1***大分県上乗せ後補助率4分の3
まとめ
補助金については、早め早めに情報を得ることがとても大切です。
また、年度が替わるタイミングでは、特定の補助金制度がなくなることもありますし、再編されて新しい名称で実施されることもあります。
制度の内容が変わることもあります。
このこともあり、常に最新の情報をチェックしてください。
今回は、2024年(令和6年)2月8日現在の、国の補助金の一部や大分県の補助金上乗せについての情報を解説しました。
できるだけ多くの補助金を網羅したいと考えたため、詳細を書ききれない部分もあります。
気になった補助金についてはネット検索したり、窓口へ問い合わせたりしてください。