2024年6月、弊社(株式会社Daiju.tech)は「ものづくり補助事業(もの補助)」補助金18次で採択されました。
比較的難易度が高いとされる「もの補助」ですが、どのような制度なのか、採択までにどんなステップを踏んだのかをご紹介したいと思います。
もの補助(ものづくり補助事業)とは?
ものづくり補助金とは「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の略称で、生産性向上実現のための革新的サービスの開発や、生産プロセス改善のための設備投資に向けて支援をする制度です。
(企業規模によりますが)補助額は最大で8,000万円、補助率は3分の2と、企業向け補助金の中では大型といってもいいでしょう。
最近では採択が厳しくなる傾向で、弊社がパスした18次では申請者数5,777者に対して採択者数は2,070者と、約35%の採択率でした。
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 第18次締切採択案件一覧」
「もの補助」の類型
では次に、「もの補助」の類型について解説します。
どのような枠があり、それぞれどのようなものを対象としているのでしょうか。
※次により取り扱い類型が異なることがありますので、ご注意ください。
省力化(オーダーメイド)枠
人手不足解消を狙い、デジタル技術を活用した生産プロセスやサービス提供改革を支援するものです。
手作業行程をAIやロボットに置き換えて自動化する、などが対象です。
製品・サービス高付加価値化枠
革新的な製品、もしくはサービス開発に必要な設備などの導入を支援するものです。
「革新的な製品またはサービス」とは、まだ多くは普及しておらず、その一方で顧客に高い価値を提供できるものを指しています。
グローバル枠
海外への進出・輸出に関する事業を支援するものです。
インバウンドに対応する事業や、海外企業と共同する事業も含まれます。
弊社が採択を受けるまで
今回弊社が採択を受けるために申請した機器は、「DTF」という布類用プリンターです。
そもそも関心を持ってはいましたが、いよいよ購入が視野に入ってきたタイミングで、「もの補助」の18次締め切りが近づいていることを知りました。
締め切りまで約2週間という短い時間で、様々な書類を作成しなければなりませんでした。
特に重要だったのが、事業計画書と、それに添える数字での計画です。
事業計画書には、
・現在の事業内容
・現在の各部門での売り上げ(数値)
・弊社の課題と将来のビジョン
・(補助金を受けられた場合)新事業で取り組む内容
・補助事業の革新性、生産性の向上など
・補助事業のスケジュール
・補助事業の実施体制
・将来の展望
といったことを、できるだけ具体的に(可能なら数字を使って)記載しなければなりません。
評価する担当者に端的にアピールするため、図や表を使いながら細かく説明しました。
客観的なアドバイスも欲しく思い、2度、BIZサポひた(日田市ビジネスサポートセンター)へ出向き、専門家に作成途中の資料を見てもらいました。
「もう少し早めに取り掛かれていれば」とのご意見も頂きつつ、毎回最善のご指導をいただきました。
2024年3月27日17時の締め切りぎりぎりに、作成した各種資料をオンライン提出できました。
「採択されればいいな」という淡い期待を持ちつつ、申請の画面を閉じたことを覚えています。
18次の結果発表は6月25日でした。
jGrants(ジェイグランツ:ネットを使い補助金申請などをするシステム)にログインすると、「採択済み」と表示されており、思わず声を上げてしまったものです。
ただ、この知らせは一時的なもので、書類の修正や追加が必要でした。
あくまで「候補者」という位置づけでの知らせだったのです。
大分県の事務局の方はとても親切で、書類にどんな修正を加えればよいのか、追加でどんな資料が必要なのかを、メールや電話で詳しく教えてくれました。
おかげさまで、スムーズに事は運び、7月16日には本採択の知らせを受け取ることができました。
DTFの先進性
今回、弊社が「もの補助」で採択されたのは、弊社のビジネスモデルとDTFとの相性がよかったためだと考えています。
DTFとは、布類用のプリンタです。
これまでのシルク印刷では、最初に版の作成が必要ですが、DTFではそれが不要で、少数の印刷にも対応しています。
また、一般的な布用プリンタでは苦手だった化学繊維にもプリントできるという点で先進的なものです。
さらに、データから直接出力することが可能ですので、熱圧着作業に慣れれば、だれでもプリントができるところも大きなメリットです。
納入業者さんに聞いたところでは、その会社が大分県内の企業にDTFを納入した事例はないとのことで、その意味でも先進的といえるかもしれません。
まとめ
「もの補助」の申請は、資料作成がとても大変なものです。
自車のビジネスモデルと導入したい機器との親和性の説明、今後新しい機会を入れた場合の事業計画、なぜその機器でなければならないのかを可能な限り数値で表す…。
専門家の力を借りても、2週間では足りないと焦りました。
ただ、自社の現状や将来を改めて見直す機会を得られたことに感謝もしました。
いい機会を得られたと感じています。
補助金を得るためには、様々な書類を作成しなければなりません。
通常の仕事をこなしながらでは、手が回らない、考えがまとまらないということもあります。
そのようなときは、是非弊社にご相談ください。
書類作成は申請する事業者が行うことがルールですが、これまでの経験からのアドバイスはできます。
補助金申請へのチャレンジに関する経験談を聞きたい、というときもお気軽に声をかけてください。
また、会社や飲食店、スポーツクラブなどでユニフォームが必要なときもお問い合わせください。
今回の補助金で導入したDTFプリンターなら、少数からでも対応できます。
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